企業から出てきた産業廃棄物は適正に処分しなければなりませんが、この処分には「中間処理」と「最終処分」の2つの形態があります。
最終処分とは埋め立てることですが、中間処理は、廃棄物を適正処理することで、すべてを捨てることなく資源として有効利用可能なものを生み出し((マテリアル)リサイクル)、それによって最終処分(埋め立て) に回す分を減らす工程のことを言います。具体的には、選別・破砕・焼却・溶融・脱水といった中間処理の方法に分かれます。
「選別」とは、いろいろなものが混ざっている廃棄物から、たとえばプラスチックの中でも塩ビ系やビ二ール系などを、次にリサイクルができるように分ける行為です。
「破砕」は、廃棄物を一定の大きさにする作業です。リサイクル目的に限らず、埋め立てやすいようにサイズを小さくしたり、質をよくするために行う作業が「破砕」です。
つまり、中間処理は産業廃棄物処理を行う上で、必要不可欠なプロセスなのです。しかし、今後の地球環境を視野に入れると、もう一歩踏み込んで考える必要があります。
資源は有限です。このまま豊かな暮らしを続けていけば、資源はいつか枯渇し、廃棄物は出続けていくことになります 。
モノを作り出す産業を動脈産業、モノを処理する産業を静脈産業と仮定した場合、その関係は上の図のようになります。現在は動脈産業が太く、それに比べて静脈産業は極めて細い状態です。人間は動脈・静脈両方がうまく機能しないと生きていけません。
地球も人間も同じです。うまく機能するために地球の静脈(産業廃棄物処理)を太くすることが重要です。排出される廃棄物を資源とするための、(マテリアル)リサイクルに重点をおいた中間処理を推奨していく必要があるのです。